ネットショップに限らず通販事業をする場合の決済方法として商品代引きは欠かせないものでした。しかしながら、ネットショップにとっては受け取り拒否のリスクがあり、購入者にとっても決済方法として商品代引きを選ぶメリットが少なくなっているので、そろそろ不要な決済方法になりつつあります。
ネットショップでの商品購入時に商品代引きを選ぶ人が減っている理由
かつてネットショップを運営する場合には、商品代引きを選ぶ人が多くいました。その理由は、かつては決済方法としてはクレジット決済か商品代引きしかありませんでした。また、そのころはネットで物を購入するということが一般的ではありませんでした。クレジットカードをネットで入力することに不安があり、また商品がきちんと届くのかが不安という状況において商品代引きという決済方法は、クレジットカード番号の入力の必要はなく、商品到着後に支払いをすることができる点でよく選ばれていました。
しかしながら、最近では決済方法として商品代引きを選ぶ人が減ってきています。その理由とは・・・
クレジットカード、商品代引き以外の決済方法が増えている
ネットショップの決済方法としてクレジットカードを選ぶ人は30~50%ぐらいです。かつてはクレジットカード以外の場合には、商品代引きしかありませんでしたが、後払いを取り扱っているネットショップが増え、最近では楽天PayやAmazon PayなどのWEBマネーに対応しているネットショップも増えてきました。
特に後払いの場合には、かつての不安要素であったクレジットード番号の入力の不安や商品が到着するかどうかという点もありません。むしろ、商品の到着時点で未開封でお金を支払う商品代引きよりも商品を開封後に支払いができるという点では後払いの方が安心感があります。
商品代引きは決済手数料が一番高い
また、商品代引きは決済手数料が一番高いというデメリットもあります。一般的に商品代引きの場合の決済手数料は324円であることが多いです。クレジットカードやWEBマネーでの支払いの場合には決済手数料は不要ですし、後払いの場合には決済手数料が必要ですが、200円前後です。
商品代引きの場合には、運送ドライバーとの直接やり取りが必要となり宅配BOX等が利用できない
また、商品の受け取りについても商品代引きの場合には支払いが必要となるので、運送会社のドライバーとの直接の受け渡しが必要となります。
最近では、宅配BOXのあるお宅が増えていますが、商品代引きの場合には、宅配BOX等を利用することはできません。
ネットショップにとっても受け取り拒否のリスクがあり、また売上への影響も少ないかも
以前に下記の記事で書いたように商品代引きはネットショップ運営側にとっても受け取り拒否という大きなリスクがあります。
受け取り拒否をされた場合には、送料や商品廃棄などのリスクがあります。また、受け取り拒否が発生すると購入者への連絡等の手間が発生し、運営している人にとって時間的な負担、精神的な負担もあります。
実験的に運営しているネットショップで商品代引きを廃止したが売り上げには大きな影響なし
これは取扱商品や客層によって影響度合いが変わってくると思うのですが、私の運営しているネットショップで商品代引きを廃止しましたが、売り上げには大きな影響がありませんでした。
これまで商品代引きで購入していたお客様は別の決済方法を利用されていました。
商品代引きがないと困るお客様とは
商品代引きを必要とされているお客様としては下記のような方です。
- シニア層などクレジットカードの入力に不安があり、後払いなどの新しい決済方法に馴染みのない人
- 会社や事業者など経理上処理がしやすいという理由で商品代引きを選んでいる人
- 家族等に商品購入がばれたくない人(クレジットカードの場合、支払い履歴で購入がわかる。後払いの場合には支払い用紙が郵送されてくるので家族にばれやすい)
上記以外には、受け取り拒否を安易に考えているネットショップにとっては望ましくない人です。
オーナー+αで運営してる小規模ネットショップでは不要な決済方法になりつつある
ネットショップと一口に言っても運営規模、取扱商品によってさまざまな状況があります。私が相談を受けるケースはオーナーのみ或いは2,3名程度で運営しているネットショップがほとんどですので、商品代引きの取り扱いはお勧めしていません。
すでに書いたように受取拒否による金銭的リスクは当然のことながら、受取拒否をする人とのやり取りは非常に精神的に負担が大きいケースが多いことが大きな理由です。小さなところでは運送時の伝票が異なるのでオペレーションが煩雑等の理由もあります。また、再配達が社会問題となっている点からも宅配BOXが利用できない商品代引きはあまり望ましくないとも思っています。