ネットショップを運営するというと多くの人が最初に思いつくのが「楽天」などのモールへの出店です。モールに出店すれば儲かるという時代もありましたが、今は出店数も多く、出せば儲かるという時代ではありません。出店するしないに関わらず一定のウォッチはしておきたいものです。
モールに出店すれば売上が上がる時代ではないが集客力は高い
モールに出店すれば売上が上がる時代ではないと書きましたが、それでも集客力は高いことは事実です。モール自体にお客さまは集まっています。ただ、出店数も同時に増え、各個店間での競争が激しくなっているため、勝ち組と負け組ができているような状況です。
「楽天」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」の3大モール以外は出店の検討余地なし
モールと言えば、現在は、「楽天」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」の3つです。他にも小さなモールもありますが、この3大モールにも出店をしてさらに拡大をしたいという場合、よほど特別な事情、理由でこの3大モールよりも売上が期待できる場合を除いて、3大モール以外は検討の余地がないと考えています。
「Yahoo!ショッピング」「Amazon」が伸びて、「楽天」はやや陰りがある傾向
かつて、日本でモールと言えば、「楽天」が強かったですが、まず、「Amazon」がマーケットプレイスでの出店者の強化、取扱いジャンルを広げ拡大し、「Yahoo!ショッピング」も出店料無料でお店を増やし、CMでTポイント10倍等の広告でお客を増やし拡大しています。
▼少し古いですが、下記のようなニュースも出ています。
独自店舗を育て、拡大期にモールへの出店すべき
販売商品のジャンル、商品力、売上目標、人員体制などさまざまな状況があるので、一概に言えないですが、中小企業や個人がこれからネットショップを始める場合には、モールへの出店よりも独自店舗を構え、さらに拡大というタイミングでモールへの出店を考えた方が良いと思います。
その理由は・・・
モールではモールでの売れるノウハウしか得れない
まず、ネットショップで売上を上げていくためには、さまざまな知識、ノウハウ、スキルが必要となってきます。独自店舗では、ネットショップ運営のあらゆる側面においてノウハウを蓄積しないといけません。一方で、モールの場合には、モールで売れるノウハウを蓄積することになります。
この2つのノウハウは似て非なるものです。一方で、独自店舗のノウハウはモールへの出店などでも活かせる側面がありますが、モールでのノウハウはモール単位で必要となり、応用力の低いものとなります。長期的な視点で見た場合、独自店舗で運営側が鍛えられることがプラスに働きます。
モールの出店料、手数料、モール内広告費は重たくのしかかる
モールに出店する以上、モールに出店している対価をモール側に払わないといけません。
支払う形として、楽天のように月額の出店料+ロイヤリティの場合もあれば、Yahoo!ショッピングのような月額の出店料、ロイヤリティは不要と言っている場合場合があります。
一見安く見えるYahoo!ショッピングの場合も、Tポイントの原資負担があるので、数パーセントは必要となります。また、見落としがちな点として、モール内で売れるためにはモール内広告を出していかないといけません。
結局のところ、売上の10~20%ほどは負担しないといけないと考えておく必要があります。
休めない、売れたら売れたで大変という状況
月額出店料のある場合には、売れなくても月額出店料が発生するので、他の業務が忙しくても休むことができません。
また、売れる場合には、急激にたくさん売れるので在庫切れになってしまったり、受注、発送業務でパンクしてしまうという場合もあります。
モールでの出店を選択すべきシチュエーションもある
ここまでモール出店には否定的に書いてきましたが、モールへの出店を選択すべきシチュエーションも多くあります。
例えば、大きな売上が短期間で必要な場合にはモールしかありません。新しいネット通販部門を立ち上げ大きな売上目標が課せられているという状況においては、モールでの販売でないと難しいです。
モールへの出店の大きなメリットは担当者がつくこと、情報が定期的に入ること
モールへの出店の大きなメリットは集客力とともに担当者がつくこと、情報が定期的に入ってくることです。
独自店舗運営の場合には、アドバイスをもらうことが難しく、情報も自分で入手しないといけません。そういったことをサポートしてくれるアドバイザーがきちんといればよいですが、そうでない場合には、大変です。
その点、モールではお金を払っている分、サポートしてもらえる可能性はあります。
自社製品、大ロット販売はモールへの出店がオススメ
モールへの出店がプラスになりやすい状況として、大きく2つあります。
一つは自社製品の販売です。一定の認知度がある場合には、広告が少なくてもモールでの販売が見込め、かつ自社製品なので利益率が高く取れ、価格競争にも巻き込まれにくいというメリットがあります。
もう一つは大ロット販売の場合です。一般的に広く流通しているものの大ロットを捌かないといけない場合にはモールでないと難しいです。一方でかなりの価格競争になりますので、数千円売って、利益が数円という商売をしているケースもあり、かなりシビアに手数料などを計算をしながら販売をしていく必要があります。