ネットショップを運営するうえで大きな経費が商品の発送にかかる送料です。宅急便、宅配便などにかかる送料は大きな経費となるとともに、商品の原価となり、お客さまの費用負担となり、送料はお客さまの購入判断の一つとなるため、出来る限り安くしたいものですが、最近は安い送料で契約することが難しくなっています。その中でも少しでも送料を安くする方法をまとまました。
運送契約では安くならない送料。少しでも送料を安くするためにはどうしたらよいのか?
数年前までは小さな個人事業でも運送契約をすると、北海道、沖縄を除く全国一律500円であったり、同地域なら300円代から始まるような運送契約をすることができました。最近では、大きな事業所や倉庫でも正価での契約が増えているようです。
ネットショッピングの市場は拡大し続けていますので、運送会社のキャパシティが急激に拡大できるような技術革新やソリューションが無い限り基本的には以前のような格安の送料に戻ることはないと思います。
その中でも少しでも送料を安くするための方策をまとめました。
金額に関わらず運送契約は必要。運送契約をするメリット4点
多くのネットショップは運送会社と運送契約をしています。商品を発送することだけであれば運送契約をする必要はありません。事業所でも自宅でも集荷に来てもらえます。では、運送契約をすることで何ができるようになるかというと大きく4点です。
正規運賃よりも安い価格で発送できる契約をすることができる
すでに書いたように以前は運送契約をすることで正規料金の25~50%引きぐらいの価格で商品の発送ができる契約をすることができました。現在は、多くの運送会社において正規料金での契約もしくは、数%~10%程度の値引きでの契約しかできないようです。
伝票の発行システムが利用できる/ラベル紙などを提供してもらえる
運送契約をすることによって伝票を印刷できる伝票発行のシステムを利用することができます。
伝票を手書きする必要がなくなりますので発送数が増えてくると大きなメリットとなります。また、ラベル紙などの用紙も提供してもらえるので小さな経費削減にもなります。
支払いが月に1度の請求となる未収で発送することができる
発送のたびに現金で支払っていると大変です。運送契約をすることによって、請求書ベースでの支払い形式での発送ができます。いわゆる未収契約という形です。
商品代引きでの発送(コレクト契約)ができる
商品代引きでの発送にはコレクト契約が必要となります。コレクト契約をするためにはその前段階として運送契約が必要となります。
以前は商品代引きでの注文も多く、ネットショップを運営する場合の決済方法としては必ず必要なものでしたが、商品代引きは受取拒否等のトラブルも多くありますので、自店で販売商品を取り扱っている競合店が少なければ無理に用意する必要はないかもしれません。
運送契約の前に実績があった方が交渉しやすい
運送契約にあたっては、取扱商品、発送する荷物のサイズ、数量などを確認されます。その内容に応じて運送会社からの提案がありますがので、当然のことながら実績があった方が数字に信憑性もでますので、交渉はしやすくなります。
基本的には、当然、発送口数が多い方が有利な契約を結べるケースが多いです。すでにあげた4点のメリットが自店にとって少ないのであれば、最初は、個別に集荷をお願いしたり、営業所やコンビニに持っていき、ある程度、発送数が多くなってから契約するのも手です。 副業の場合、通勤途中やお昼休みなどに持ち込めばよいと思います。
商品の発送経費(送料)を安くするためのポイント
何度も書きますが、以前は運送契約をすることで送料を安くすることができましたが、最近は運送契約をしても正価に近い送料を提案されるケースが増えています。では、商品の発送経費を安くすることはできないのかというと、そんなことはありません。
発送数が多いのであれば、複数の運送会社とを使い分ける
運送会社によって、運賃の体系が異なります。ネットショップが利用する運送会社と言えば、ヤマト運輸、佐川急便、郵便局が主流です。これらの3社に加えて、西濃運輸などがあります。
それぞれの運送会社によって特長があります。送料としては、全体的な傾向として、ヤマト運輸>ゆうぱっく>佐川急便>そのほかという形で安くなっていきます。一般消費者の方にはヤマト運輸が好まれる傾向がありますが、発送先や内容によって使い分けることで全体の送料を安くすることができます。
私の主観もありますが、各社の特長をまとめました。下記の特長を活かして、本州は佐川急便、そのほかの地域はヤマト運輸という形や大きい荷物は佐川急便、小さい荷物はヤマト運輸、個人相手はヤマト運輸、法人相手は佐川急便や西濃運輸、商品代引きは郵便局といった使い分けができれば運送料を削減できます。ですが、それなりに発送数がないと各社とも交渉がうまくいかず、手間が増えるだけとなりますのでそれなりに発送数がないと使い分けることのメリットは享受できません。
ネットショップ運営上のヤマト運輸の特長
- 全体に高いが北海道、沖縄以外一律料金を提示してくれる
- 沖縄、離島でも高くならない
- 小さい荷物で追跡ができるサービスがある
- 営業所が多いので営業所留の希望に対応しやすい
ネットショップ運営上の佐川急便の特長
- 全体に安いが北海道、沖縄、離島は高くなる
- 追跡ができるメール便のようなサービスはない
- 購入者からは嫌がられる傾向
- 営業所が少ないので営業所留には対応しにくいが購入者は24時間受け取れるというメリットもある
ネットショップ運営上の郵便局の特長
- 現状、価格交渉できる余地が多いと聞く、ただし、持ち込みを要望されることが多い
- 商品代引きで発送した場合に受取拒否をされた場合、他の運送会社と異なり片道分の送料しか請求されない
- 郵便局は全国にあり、24時間の受け取りが可能なので、局留めや郵便局での受取を好まれる購入者もいる
集荷のドライバーと良い関係を築くことのメリットは大きい
宅急便、宅配便に限らず定形外郵便などすべての郵送物はサイズや重さで料金が変わってきます。コンビニでの荷物引き渡しなどでは正確にメジャーで計られるますが、集荷で個数が多いとドライバーの裁量で判断されることも多いです。
ですから、集荷に来られるドライバーと良い関係を築くことのメリットは大きいです。微妙なサイズのときに小さいサイズで集荷してもらうことができれば、発送数が多くなるほど大きな金額となってきます。では、集荷のドライバーと良い関係を築くにはどうしたらよいかというといくつかのポイントがあります。
ドライバーの営業にできる限り対応をする
各社ともにドライバーの人が営業的な側面を持っています。運送業務に関係するシステムやコレクト(商品代引き)などの導入の提案であったり、ラーメンや野菜などのギフト品の営業パンフを持ってこられます。
こういったことにはできる限り対応をしてあげましょう。ギフト品類は意外にお得な商品もあります。
ドライバーの方にとって気持ちく、融通の利く対応をするようにする
現在、各運送会社のドライバーは大変な仕事量を持っています。特に集荷についてはネットショップなどがぎりぎりまで発送をしたいと考えているので、夕方以降は集荷の依頼を多数抱えています。
そのような状況ですので、集荷時間をぎりぎりで指定されたり、集荷できるタイミングに幅がないと嫌がられます。発送する商品は前日の注文分までと決めて、午後なら何時でも集荷に来てもらっても構わないという形にすることでドライバーの方に喜ばれます。
また、単純に缶コーヒーやジュースなどを差し入れてあげるといったことも喜ばれます。
ちなみに私が自宅でネットショップを運営した際には、特定の場所に置いておき、毎日、朝に荷物を置いておき、いつ集荷してもらっても大丈夫と伝えていました。マンションでは難しいと思いますが、一戸建てなどだとガレージなどに置いておくとよいと思います。 ただ、そこで盗まれたりする可能性はゼロではありませんので、換金性の高い商品、高額商品を扱っている場合には不向きです。
交渉力のある企業(倉庫会社・物流会社)に委託することで送料を安くする
自社が交渉力がなくても、倉庫会社、物流会社に委託するという方法もあります。倉庫会社、物流会社は運送会社への交渉力がありますので送料が安くなります。
物流会社に委託することで送料が安くなり、その安くなった送料で発送作業を委託できるようになるケースもあります。発送数が月に50件を超えだしたら検討を開始してみてはいかがでしょうか。物流倉庫業者によって、得意な取り扱い商品などが異なってきます。また、物流倉庫業者に相談する際に、毎回、自社の商品や発送に関する情報を伝えるのも大変です。
その点が少しでも楽になるのが 物流倉庫一括見積もりサイト です。最終的な商談では細かく説明しないといけませんが、自社の条件にあった物流倉庫業者をピックアップしてくれますので、その点だけでも便利なサイトです。