コラム

ネットショップをサイトごと購入することで商材探しとサイト作りの時間を短縮する

更新日:

ネットショップをサイトごと購入することで商材探しとサイト作りの時間を短縮する

ネットショップを始めたいという人にとって最大のネックは仕入れルートです。小規模な個人が伝手もなく有利な仕入れ先を確保するのは非常に難しいです。個人的な人脈などを頼りに見つけた仕入先ではなくネット検索などで手に入れた商材は他の人も見つけることができるので価格競争になりやすいという側面もあります。その問題を解決する一つの方法は、ネットショップを購入するという選択肢です。

サイト M&A (サイト売買)を使って、仕入先とネットショップを丸ごと購入する方法

ネットショップを購入するというのは、いわゆる M&A です。M&Aというと新聞などで見るような大企業がおこなうイメージですが、実は身近でも行われています。特にサイト M&A は、不動産やスタッフなど大きなコストとなる資産が含まれないケースが多いので、数万円規模からおこなわれております。
M&Aの中でもインターネットサイトの売買は、サイトM&Aと言われます。売却希望サイトは数万円からあります。

サイト M&A (サイト売買)は専門の仲介サイトを利用することで購入できるサイトを探すことができます。

サイト M&A (サイト売買)は専門の仲介サービスがありますので、そのようなサービスを使うことで、購入できるサイトを見つけることができます。
※サービスは後ほど紹介します。

では、そもそもサイト売却を希望するってどんなケースなのか?儲からないから売却するのではないかと思う方が多いと思います。実際にそのようなケースも多いですが、儲かっているのに売却するケースもあります。サイトを売却する理由をいくつかあげてみます。

他の事業のための資金調達/経営資源を集中するためのサイト売却

一番多いケースが、他の事業のための資金調達です。実際には、サイトの運営に係るマンパワーも他の事業に集中させたいというケースが多いです。サイトで利益が出ているのであれば、運営を継続した方が良いじゃないかと思うかもしれませんが、サイトというのは手を入れないと売上が低下していきます。特に代表者がこれまでサイトの方針をメインに決めていて、日常業務はオペレーターがしているというケースでは、代表者が他の事業に力を入れることで、将来的な売上低下が予測されるので、売上があるうちに売却するという判断をするケースが多いようです。

サイト規模が大きくなり個人で扱えなくなってサイト売却

始めは個人が小遣稼ぎのつもりで始めたサイトやネットショップがどんどん人気が出て、サイト規模が大きくなるというケースがあります。運営者が独立を考えている場合には、願ったり叶ったりのケースですが、そうではない場合には、手にあまって売却するケースがあります。

儲からなくなったのでサイト売却

儲からなくなったのでサイト売却されるケースというのも当然あります。それでもサイトの改善や既存事業とのシナジーなどが考えられる事業者が購入するケースがあります。

売却益を目的とした詐欺的なサイト売却

サイトの売却だけを目的とした詐欺的なビジネスをしている人がいます。外見上は盛況に運営されているように見えたり、将来性があるように見えても、実際に購入するとさっぱりというケースがあります。

サイト売買でネットショップを購入する場合の注意点

サイトM&A でサイト売却をしている人の中には前述のように詐欺的な行為をしている人が一定数います。一方で、詐欺と言い切れないのは、サイトを購入した側にスキル・知識が不足していてうまく運営ができなかったり、サイト売却額に含まれている目に見えない資産(取引先や将来性など)をうまく活かせずに失敗しているケースもあるからです。私自身はサイトの購入も譲渡もしたことがあります。成功したケースも失敗したケースもあります。このブログはネットショップに関するブログですから、ネットショップを購入する場合の注意点をリストアップしました。

ネットショップの運営年数は1年以上あること

ネットショップの運営年数が1年以上あることは絶対条件です。かつ1年以上に渡って一定の売上とアクセスがあることが望ましいです。売りにでているネットショップの中には、副業で立ち上げたら半年で手に負えなくなったため、売却しますというものがあります。そういったネットショップの購入は慎重におこなってください。

1年の理由としてはいくつかあります。

  • 季節変動要因を見極めることができる
  • 売上の成長、現象を見極めることができる
  • 数か月であれば、広告などを使って強引に売上を作ることができる(広告費を正確に教えてもらえない場合がある)

売上・利益額よりもアクセス数とアクセス経路を重視する

ネットショップサイト購入時には売上や利益がもちろん重要なのですが、アクセス数を重視してください。なぜなら、売上額は顧客の動きや品揃えなどによって上下する要素が大きいからです。ネットショップ売却を視野に入れて一部の商品をセールなどで現金化している可能性もあります。一方で、アクセス数は変動の幅が少ないです。

アクセス数を確認するうえでの理想は、Google アナリティクスの閲覧権限を一時的に許可してもらうということです。それによって、嘘偽りのない数字が見ることができます。Googleアナリティクスを利用しているのに見せてもらないような相手とは取引を見送る方が良いと思います。

アクセスを見る上での注意点は運用で発生させたアクセスと放置していても発生するアクセスを見ることです。

運用で発生させたアクセスとは、広告、SNS、メルマガなどです。一方で、放置していも発生するアクセスとはSEOや既存顧客のダイレクトアクセスです。完全には判別できませんが、広告とSNSについては、Google アナリティクスではっきりとわかります。

もし、Googleアナリティクスが見ることができなければ、Similar WEB を活用してください。あらゆるサイトのアクセスを外部から解析しているツールです。正確な数値はでませんが、競合サイトなどのアクセス数も調べ、その比較で判断をすることができます。

仕入先を引き継いでもらえるかどうか

仕入先を引き継いでもらえるかどうかということは必ず確認してください。中には仕入先の確保が難しくなったためにネットショップの売却をするケースもあります。その場合には、かなり安価で売りにでていますので、もし、サイト売却元とは別のルートで仕入先を確保できるのであればお得な取引となります。

売上/利益・アクセス数は変更できない数字を出してもらう

売上・利益にしてもアクセス数は、ほとんどの場合、エクセル等の資料を提供してもらえます。もちろんその数字は重要ですが、前述のGoogle アナリティクスのように売却元が変更できない数字を見せてもらってください。カラーミーショップで運営しているネットショップの場合には、「売上分析」のページは変更できないので、信用性が高いです。

また、目に見えにくい数字については、できる限り信用しない方が良いでしょう。例えば、問い合わせからの受注が○○万円という売却サイトがありますが、そういったケースでは受注の要因がサイト側以外の対応スタッフの能力や受注後の納品能力などに左右されるケースがありますので、慎重に対応をする必要があります。

商品の仕入れ値と販売額を正しく把握する

私はかつてネットショップの購入で失敗したことがあります。その際に怠ったことは、全体での仕入れ額と売上額を注視して、個別商品の仕入れ額や他のお店での販売額をきちんと把握しなかったことです。

もう少し具体的に言うと、私が購入したネットショップでは、仕入れ値1,000円、希望小売価格が2,000円ほどのアパレル商品を6,000円ほどで販売していました。そのネットショップでは、写真を高級感ある仕上がりにして、市場価格が2,000円のものを6,000円で販売していました。そのままの形でビジネスを続けることも可能でしたが、個人的にそういう形はできずに2,000円で販売をする形に変更をして、利益額が大きく棄損しました。単に世間が安売りをしていて実売価格が低いということであれば、そのまま継続しても良いと思いましたが、希望小売価格が2,000円のタグを外して販売するのは良心が痛んでできませんでした。

購入額の目安は、1年分の利益+資産価値(在庫や契約済みのサーバ費用等)

購入額の目安は、過去の実績から見て、1年分の利益と在庫や資材などや契約済みのサーバ費用などの資産価値の合計額がサイト購入額の目安です。在庫は、在庫内容に合わせて、売れ残りなどを勘案して、下代(仕入れ値)の 50%~80%で計算するケースが多いです。また、梱包資材などの備品はよほど多くなければ、無料で提供されるケースが多いです。

この金額をベースとして、値段交渉となります。

サイトM&A(サイト売買)はどこでするか?

サイトM&Aで検索するとさまざまなサイトが検索されます。非常に多くの会社がサイトM&Aを取り扱っています。

昔からある有力どころとしては、サイトキャッチャーなどがあります。サイトを購入するためには、購入したいと思うサイトが出てこないといけません。いつどの売買サイトに掲載されるかはわからないため、できるだけ多くのサイトを定期的にチェックする必要があります。

特にお買い得なサイトはすぐに売却先が決まってしまいますので、すばやい決断が必要です。

サイト売買の手順

サイト売買の手順は各仲介サイトにて紹介されていますが、簡単に言うと。

  • 交渉の依頼をして、売却サイトの情報をもらう
  • 必要に応じて質問・金額交渉
  • サイト売買決定
  • 売却費用を仲介サイトに預ける/サーバや在庫等の移転手続き を同時に開始
  • 完了時点で仲介サイトに完了報告をすることで売却側に費用が渡される

ネットショップを購入することで仕入先とサイト自体が手に入る

サイト売買の多くオン場合、仕入れルートなども同時に提供されます。もっとも入手しにくい仕入れルートを手に入れることができれば、ビジネス展開が非常に有利に進みます。私が一番成功した事例では、前任者が多くの業者とあたって手に入れた仕入れ業者でした。有利な仕入れルートだったため、複数店舗の運営をすることもできました。

失敗したケースでも、仕入れルートは手に入りましたので、サイトの購入額としては大きくなってしまいましたが、運用後に利益を出すことはできました。ただ、回収には2年ほどかかってしまいましたが。。

ネットショップは20万円ほどから購入できるが、50~100万円ぐらいの案件が良さげな気がします

サイト売買サイトでは、5万円から売りにでているサイトがありますが、仲介サイトの手数料が1~5万円ほどのため、あまり安い取引(売上が少ないサイト)だと手数料の負担が大きくなりますので、実際には20万円くらいからの案件が多くなっています。

個人的な経験から言うと、あまり安いサイトはそれだけ将来性も少ない可能性が高いです。個人もしくは中小企業がサイトを購入する場合には、その金銭的負担を考えても50~100万円ほどの良さげな案件をじっくり待つというのが良いのではないかと思います。

300万円を超えると金銭的な負担は当然のことながらリスクも高いですし、何よりも本格的な運用が必要となるため、個人の場合ですと数か月はそのサイトの運用に集中する必要があると思います。投資金額に余裕があれば、1000万円超のお得な案件もありますが、個人的には手を出したことはありません。。







おすすめ記事

カラーミーショップとBASEの料金比較-従量課金のBASEか定額のカラーミー 1

前回、カラーミーショップとBASEを価格面から比較しました。今回は機能面から比較していきたいと思います。

カラーミーショップとBASEを機能面で比較【BASEはカラーミーのスモールプラン相当?】
カラーミーショップとBASEを機能面から比較するにあたり、私もBASEで簡単なネットショップを作成してみました。普段、カラーミーショップをメインに使っているので、どうしてもカラーミーショップの方が詳しい説明になりがちですが、その点、ご了承ください。また、間違い等がありましたら、ご指摘いただければと思います。

2

ホームページを作るならアメブロよりも独自ドメイン派なのですが、アメブロには集客力があります。今回、とあるネットショップからアクセスアップの相談をいただき、SEO対策はしましたが、SEO以外の集客ルートとしてアメブロとアメブロキング2を活用することにしました。結論としては非常に効果がありました。

3

ネットショップをする場合には、ネットショップ専門のASPサービスを利用するのが簡単です。ネットショップのASPサービスはさまざまなものがありますが、その中でもいつも私はカラーミーショップを選んでいます。カラーミーショップを選択するのにはメリット・理由があります。

【確定申告】ネットショップの会計ソフトは freee がおススメ 4

確定申告の季節ですが、ネットショップを運営している方はきちんと確定申告されていますか?

もし、確定申告をされていなければ、早く始めましょう。特にモールに出店しているとモールの出店店舗が確定申告しているかどうかを税務署がチェックしているという話を聞いたことがあります。

ネットショップの場合には、特定商取引法によって販売業者は情報を明らかにしないといけませんし、お金の流れも通帳上で明らかになるので税務申告せずに済むというわけにはいきませんよ。

カラーミーショップとBASEの料金比較-従量課金のBASEか定額のカラーミー 5

前回の記事で私がカラーミーショップを選択する理由をまとめましたが、今回は、最近CMなどでも大きく宣伝している無料ネットショップサービス「BASE」との比較です。2つのサービスを比べると単純にどちらが良 ...

-コラム
-,